タイトル画像:国民健康保険の免除

公私の扶助とは

 国民健康保険条例の減免に関する要件では、「貧困により生活のため公私の扶助を受ける者」という文面の市町村が多数ありますが、具体的に書かれていることは少ないので、公私の扶助についてまとめてみました。

 「公の扶助」とは、生活保護、就学援助などです。「私的な扶助」については、社会事業団体からの扶助は、多くの市町村で例示されています。例示されていなくても、私的扶助とされるものに、生計が別の親族あるいは第三者からの扶助を受けている場合があります。

以下は、減免規則や議会答弁による公私の扶助についてです(平成21年5月調べ)。

・衆議院地方行政委員会 自治省石原税務局長の答弁 1980年3月21日
住民税の減免を受けられる公私の扶助を受けている場合についての質問への回答で、「生活保護法による各種扶助や就学援助、保育所入所世帯、老人医療や児童手当、福祉年金などの受給世帯が「公」の扶助に当たり、叔父などからの援助が「私」の扶助に該当し、税の減免対象になる」

・秋田県仙北市国民健康保険税条例施行規則より
貧困により生活のため公私の扶助を受ける者又はこれに準ずると認められる者とは、次に掲げる者とする。(1)生活保護法(昭和25年法律第144号)第11条に規定する扶助を受けている者(2)次に掲げる者で、当該世帯の収入額が生活保護法による保護の基準(昭和38年厚生省告示第158号)により算定した最低生活費の額以下の者 ア 就学援助等の公的扶助を受けている者 イ 社会事業団体の扶助及び生計を一にしていない者からの扶助を受けている者 ウ 公私の扶助は受けていないが、同程度の生活困窮の状態にある者(介護保険料の減免者を含む。)

・福岡県那珂川町国民健康保険税減免取扱基準より
貧困により、生活のため私的扶助を受ける者。(注)ここでいう私的扶助とは、社会事業団生計を一にしない親族又は特別の事情により親族以外の第三者からの扶助をいう。

・鳥取県琴浦町国民健康保険税の減免措置要綱より
納税義務者が貧困により、生活のため公私の扶助を受けた場合においては、その扶助が公的扶助のほか社会福祉事業団体等から月々一定の扶助を受ける者に限り、客観的に納税義務者の担税力を考慮して減免する。

・岩手県陸前高田市の減免要綱より
公私の扶助を受ける場合の要件
(1)賦課期日後において生活保護法の適用を受けている者
(2) 生活困窮のため、社会事業団体等から私的な生活の扶助を受けている者で市長が必要と認める者

・北海道南富良野町国民健康保険税の減免に関する規則より
生活保護法(昭和25年法律第144号)又は社会事業団体による生活のための扶助で、その返還の必要がないもの

・広島県大竹市国民健康保険料減免要綱より
貧困により生活のため公私の扶助を受けている者
公の扶助を受けることとなつた世帯(生活扶助,教育扶助,医療扶助,出産扶助又は葬祭扶助を受けることとなつた者)、私の扶助を受けることとなつた世帯(公の扶助以外の扶助を受ける者で,その実情が公の扶助を受ける者と同様と認められる者をいう。)

・埼玉県上尾市 平成18年9月定例会一般質問事項より
生活保護以外の公私の扶助とは何を指しているのかというご質問でございますが、生活保護法の規定による保護を受けている以外では、上尾市の幾つかの例を挙げさせていただきますと、ひとり親家庭医療費、就学援助金、母子家庭児童扶養手当などが考えられます。

生活状況調査票の例

札幌市 生活状況調査票(部分)


東京都小金井市 生活状況申告書(部分)

国民健康保険の減免申請の期限の例

・小金井市国民健康保険税減額免除取扱要綱
国民健康保険税減額免除申請書は,納期限前7日までに市長に提出しなければならない。ただし,やむを得ない理由があると認められるときは,その理由書を添えて納期限後においても,これを提出することができる

・江東区国民健康保険料減免に関する事務取扱要綱
減免の承認は、国民健康保険料納期限日の7日前までに申請のあった月から対象とすることができる。ただし、第2条第2項の規定により承認する場合は、この限りではない。

・西海市国民健康保険税の減免に関する規則より
減免を受けようとする納税義務者等は、最初の納期限(減免理由が納期限後に生じた場合は、当該理由発生後10日以内とする。)までに次に掲げる事項を記載した国民健康保険税減免申請書を減免を受ける理由を証明する書類を添付して、市長に提出しなければならない。

・国分寺市国民健康保険税減免規則より
保険税の減免は,当該賦課年度に属する税額のうち,申請日現在において未到来の納期限に係るものについて適用する。ただし,当該税額が既に納付されている場合においては,理由のいかんを問わず,減免の対象としない

・長岡市国民健康保険料減免要綱より
減免の申請のあった日以後最初に到来する納期限に係る保険料から減免する。ただし、特別の事情があるときは、申請日において既に到来した納期限に係る保険料から減免することができる

減免制度を積極的に案内しない市町村の例

・静岡市:平成17年11月定例会より
 これが窓口で渡している国保パンフ、市民向けです。同様に、これは5カ国語で書かれた外国人向けの国保パンフ。これは両方、一言も減免制度が載っておりま せん。皆さん御承知の納付書には、災害等の理由は載せられていますけれど、公私の扶助によって申請減免が受けられるというのは載っていません。これは市の広報でも同じです。ですから、せっかく社会保障としての減免制度があっても、市民が申請する権利を行使できずにいたわけです。